日時:11月1日(土)16:40-17:40
金出 武雄 創始者記念全学教授
(カーネギーメロン大学)
講演要旨
私の顔画像処理とのかかわりは1970年に始まります。当時はデジタルカメラもないので画像の取り込みは自作のデジタイザー装置、ドットプリンターもないので濃淡画像のプリントは文字の重ねうちでという時代でした。以後、顔検出、表情認識、さらには体全体の動きと行動解析と監視システムなど、さまざまな顔と人の画像の処理技術にかかわってきました。これらの歴史的視点を交えて現在の顔とそれに関連する技術を議論したい。
日時:11月2日(日)10:40-11:40
長野 光希 先生
(NVIDIA)
講演要旨
デジタルヒューマン技術は、AIエージェント、ビデオ会議やアバター作成など、様々な分野での活躍が期待されている。
顔は我々人間のコミュニーケーションに必要な最も原始的なインターフェースであり、デジタルヒューマンを構成するのに最も重要な要素の1つであると言える。
顔は構造的に共通点が多く、顔のデジタル合成は一見簡単そうに見える一方、我々の感覚は顔のわずかな違和感にも敏感であるため、
顔の合成には非常に高い技術精度が求められる。
それゆえ、誰でも技術の良し悪しを直感的に判断できる顔は、最先端の技術を試すうってつけの題材でもあったと言える。
高精度なデジタルヒューマンは、かつてはハリウッドスタジオなどにしか作れないものだったが、近年のAI技術の進展によって、
リアルなアバターのビデオや音声などを誰でも簡単に合成できるようになりつつある。
本講演では、最先端の生成的AIモデルやインターネットスケールの大規模基盤モデルなどを使ったデジタルヒューマン合成の研究について紹介するとともに、
こうした技術が誰にでも使えるようになった将来にくる課題について、最新の取り組みを交えて議論したい。